人気ブログランキング | 話題のタグを見る

BLUE NOTE 1516~1535

1531 THE FABULOUS FATS NAVARRO VOL.1
FATS NAVARRO-tp ERNIE HENRY-as CHARLIE ROUSE-ts TADD DAMERON-p NELSON BOYD-bSHADOW WILSON-ds
1947.9.26
1.-3.OUR DELIGHT 4.THE SQUIRREL 5-6.THE CHASE 7.WAIL 8.BOUNCING WITH BAD 9.DOUBLE TALK 10.-11. DAMERONIA
メンバーをみただけで、ゲップのでそうなギトギト脂っこいイメージだが、その通り。バップを高い温度の油で加熱した揚げ物ような按配である。舌を火傷しないようご用心。ビー・バップの火の噴くような演奏である。ビー・バップとはかくもテンションの高いものかと仰天する。
1533 INTRODUCING JOHNNY GRIFFIN
JOHNNY GRIFFIN-ts WYNTON KELLY-p CURLEY RUSSEL-b MAX ROACH-ds
1956.4.17
1.MIL DEW 2.CHICAGO CALLING 3.THESE FOOLISH THINGS 4.THE BOY NEXT DOOR 5.NICE AND EASY 6.IT's ALRIGHT WITH ME 7.LOVER MAN
 グリフィンについて良く言われる要素が、明確にアルバム化されているなと思う。息もつかさぬ早業のテナー・ブロー、豪放な吹きっぷりと音色、そしてユーモア。グリフィンを知るには恰好のアルバムだ。ウイントン・ケリー他のカチッと締まったタイトなリズム・セクションも聴き所。
1534 WHIMS OF CHAMBERS/PAUL CHAMBERS
DONALD BYRD-tp JOHN COLTRANE-ts KENNY BURRELL-g HORACE SILVER-pPAUL CHAMBERS-b PHILLY JOE JONES-ds
1956.9.21
1.OMICRON 2.WHIMS CHAMBERS 3.NITA 4.WE SIX 5.DEAR ANN 6.TALE OF THE FINGERS 7.JUST FOR THE LOVE

BLUE NOTE 1516~1535_b0068450_18592001.jpg
ChambersのBlue Noteでの初リーダー盤。何と言ってもテーマ曲のWhims of Chambersのリフの格好良さに惹かれる。更にこのメンバー揃い。といっても曲により編成を変えてはいるが。粘っこいByrdのホーンからの出だし、2管でのリフから始まるOmicron。Coltraneの豪快なテナー、Byrdのハイトーンをヒットさせたホーン、、Burellの才気走るギター、そしてChambersがいつものゴリゴリしたベース、Silverの硬いピアノタッチ、元気一杯のPhillyのドラミングが冴える。フロント2管を外したKenny BurrellとChambersとのユニゾンによるリフのWhims of Chambers。リフの格好良さもさることながら、2人のソロやSilver,Phillyの小気味よい演奏に唸る。小粋なBurrellのギターとColtraneのうねるテナーが冴えるNita。Phillyのドラムもイケテル。やはりこれもColtraneが冴えているWe Six。アルコでのChambersが影薄いが良く歌っている。Burrellのギターが哀しいDear Ann。Byrdのホーンも切なさを湛えている。曲が良いと揃って皆良いソロを取る。なかなか格好の良いアルコを弾くChambesのソロが冴えるTale of the fingers。Garlandばりのピアノを聴かせるSilver。PhillyとChambersの掛け合いもスリル。豪放なColtaranのテナーが聴けるJust for the love。軽い感じでホーンを奏でるByrdなども良い。
1535 AFRO-CUBAN / KENNY DORHAM
KENNY DORHAM-tp HANK MOBLEY-ts CECIL PAYNE-brs HORACE SILVER-p PERCY HEATH-b ART BLAKEY-ds
1955.1.30
+J.J.JOHNSON-tb CALOS PATATO VALDEZ-cong RICHIE GOLDBERG-cowbell OSCAR PETTIFORD-b
1955.3.29
1.AFRODISIA 2.LOTUS FLOWER 3.MINOR'S HOLIDAY 4.BASHEER'S DREAM 5.K.D.'S MOTION 6.THE VILLA 7.VENITA'S DANCE
 アフロ・キューバン・タッチのAFRODISIA後にしっとりと来るLOTUS FLOWER、そしてまたアフロなMINOR'S HOLIDAYと変化に富む味のあるアルバムである。全く黒々した黒人色が溢れている。バーボンかテキーラでも煽って聴けば最高・・・かな? 
1536 J.R.MONTEROSE
IRA SULLIVAN-tp J.R.MONTEROSE-ts HORACE SILVER-p WILBER WARE-b PHILLY JOE JONES-ds
.1956.10.21
1.WEE-JAY 2.THE THIRD 3.BOBBIE PINK 4.MARK V 5.KA-LINK 5.BEAUTEUS
モンテローズは白人のソニーロリンズだなと思う。特徴あるタンギング、テナーの音色・・・。彼のソロを聴くと、不思議とワン・ホーン・テナー盤かと錯覚するほど気力に満ちている。
 曲、演奏ともに充実したアルバムだ。
1537 LOU DONALDSON/ QUARTET,QUINTET,SEXTET

BLUE MITCHELL:tp* KENNY DORHAM:tp** MATTHEW GEE:tb** LOU DONALDSON:as HORACE SILVER:p ELMO HOPE:p** GENE RAMEY:b PERCY HEATH:b:*,** ART TAYLOR:ds ART BLAKEY:ds*,**
1952.6.20,11.19*
19548.22**

1.IF I LOVE AGAIN* 2.DOWN HOME* 3.THE BEST THINGS IN LIFE ARE FREE* 4.LOU'S BLUES 5.CHEEK TO CHEEK 6.SWEET JUICE* 7.THE STROLLER** 8.ROCCUS 9.CARACAS** 10.MOE'S BLUFF**


 ルー・ドナルドソンはチャーリー・パーカーに似ている等と言われたが、僕は猫に似ていると思う。
 アルト・サックスは犬猫で言えば、犬系統なのかそれとも猫系統なのか等と議論したことは一度もないが、どうもそれは楽器に寄らず、リズムやフレーズが猫を感じさせるようだということを、このアルバムを聴いて思ったことだった。全てそんな塩梅かと言えばがそうなのではなくて、所謂キャット・ウォーク、猫歩きを想像させるリズムやフレーズがそれだし、猫なで声というものある。ドナルドソンがそんな感じに吹くこともあるなとは思う部分と、寧ろサックスであれ、ピアノであれ、ドラムやベースでも猫の立ち居振る舞いが想像されるものとがある。このアルバムでは、ルー・ドナルドソンのアルトもそうだが、ホレス・シルバーのピアノに猫を感じた。
 しかし、ジャズマンのことをキャットというのは、僕はいまだにしっくりと腑に落ちないのだが。まあ、いい。
 
 僕の実家や独立してから飼った猫は二匹いて、一匹目は余市というところで拾ったから「ヨイチ」とつけた。これは僕が中学に入ったばかりの夏からいて、高校の3年あたりで気管支炎のような感じになって、ひきつけを起こしたような呼吸困難になって死んだ。二匹目は、独立してからで、幼い息子たちの大好きなアニメ宮崎駿男氏の「となりのトトロ」からつけた「トトロ」。イヤ、絵本に出てくる三匹の山羊のガラガラドンがやっつけたトトロだったかも知れない。これが、次男がまだ幼くやたらと噛みついたりするので実家に預かって貰っているうちに、ひょいと表に出たきり居なくなってしまった。どうも野良猫の仲間に入っている内に、猫狩りにあってしまったのではと、実家の母はふと漏らしていた。
 猫は家につくというが、我が家の犬は、ヒトに媚びず寧ろ家についているのかと思うことがある。どこかご都合主義なところが、猫的だ。餌が欲しい時と、ドライブに連れて行って欲しい時と、家に入れて欲しい時以外は、尻尾も振らずそっぽを向いている。まさに唯我独尊。見知らぬ人が来ても滅多に吠えない。ただ、決まって郵便配達のバイクが来ると、途端に吠え出す。きっと、いつか何かやったなと訝っているのだが。
 
 いや、猫であった。
 試しに、2曲目のDOWNHOMEを聴いて貰いたい。所謂ブルースなわけだが、粘ったようなアルトの醸し出す趣が、猫が餌欲しげにすり寄って来る様を思い描いてしまう。ホレス・シルバーのピアノはさながらキャット・ウォークである。だいたいブルースてものは、そんな塩梅なのだろうが。
 やっぱりルー・ドナルドソンは、猫ではなくてチャーリー・パーカー系統だと厭でも思ってしまうのが、LOU'SBLUESだ。だって、パーカーが良く使うフレーズを遠慮会釈なく使ってしまってるからだ。
 
 このアルバムは割と爽やか系統の曲が選ばれている。1,3,5と奇数番目の曲がそうである。CHEEKTO CHEEKや7曲目のTHESTROLLERなどは、早いパッセージを息も切らず吹ききる爽快感が素晴らしい。
 ミディアム・テンポのSWEETJUICEでのドナルドソンのソロもホレス・シルバーのソロもじっくり聴くと良い味わいだ。
 また猫に戻るが、8曲目のROCCUSはまさに猫という感じのテーマだ。ともすると、ドナルドソンのアルトが発情期の猫の声にきこえてしまうから可笑しい。 ルー・ドナルドソンはチャーリー・パーカーに似ている等と言われたが、僕は猫に似ていると思う。
 アルト・サックスは犬猫で言えば、犬系統なのかそれとも猫系統なのか等と議論したことは一度もないが、どうもそれは楽器に寄らず、リズムやフレーズが猫を感じさせるようだということを、このアルバムを聴いて思ったことだった。全てそんな塩梅かと言えばがそうなのではなくて、所謂キャット・ウォーク、猫歩きを想像させるリズムやフレーズがそれだし、猫なで声というものある。ドナルドソンがそんな感じに吹くこともあるなとは思う部分と、寧ろサックスであれ、ピアノであれ、ドラムやベースでも猫の立ち居振る舞いが想像されるものとがある。このアルバムでは、ルー・ドナルドソンのアルトもそうだが、ホレス・シルバーのピアノに猫を感じた。
 しかし、ジャズマンのことをキャットというのは、僕はいまだにしっくりと腑に落ちないのだが。まあ、いい。
 
 僕の実家や独立してから飼った猫は二匹いて、一匹目は余市というところで拾ったから「ヨイチ」とつけた。これは僕が中学に入ったばかりの夏からいて、高校の3年あたりで気管支炎のような感じになって、ひきつけを起こしたような呼吸困難になって死んだ。二匹目は、独立してからで、幼い息子たちの大好きなアニメ宮崎駿男氏の「となりのトトロ」からつけた「トトロ」。イヤ、絵本に出てくる三匹の山羊のガラガラドンがやっつけたトトロだったかも知れない。これが、次男がまだ幼くやたらと噛みついたりするので実家に預かって貰っているうちに、ひょいと表に出たきり居なくなってしまった。どうも野良猫の仲間に入っている内に、猫狩りにあってしまったのではと、実家の母はふと漏らしていた。
 猫は家につくというが、我が家の犬は、ヒトに媚びず寧ろ家についているのかと思うことがある。どこかご都合主義なところが、猫的だ。餌が欲しい時と、ドライブに連れて行って欲しい時と、家に入れて欲しい時以外は、尻尾も振らずそっぽを向いている。まさに唯我独尊。見知らぬ人が来ても滅多に吠えない。ただ、決まって郵便配達のバイクが来ると、途端に吠え出す。きっと、いつか何かやったなと訝っているのだが。
 
 いや、猫であった。
 試しに、2曲目のDOWNHOMEを聴いて貰いたい。所謂ブルースなわけだが、粘ったようなアルトの醸し出す趣が、猫が餌欲しげにすり寄って来る様を思い描いてしまう。ホレス・シルバーのピアノはさながらキャット・ウォークである。だいたいブルースてものは、そんな塩梅なのだろうが。
 やっぱりルー・ドナルドソンは、猫ではなくてチャーリー・パーカー系統だと厭でも思ってしまうのが、LOU'SBLUESだ。だって、パーカーが良く使うフレーズを遠慮会釈なく使ってしまってるからだ。
 
 このアルバムは割と爽やか系統の曲が選ばれている。1,3,5と奇数番目の曲がそうである。CHEEKTO CHEEKや7曲目のTHESTROLLERなどは、早いパッセージを息も切らず吹ききる爽快感が素晴らしい。
 ミディアム・テンポのSWEETJUICEでのドナルドソンのソロもホレス・シルバーのソロもじっくり聴くと良い味わいだ。
 また猫に戻るが、8曲目のROCCUSはまさに猫という感じのテーマだ。ともすると、ドナルドソンのアルトが発情期の猫の声にきこえてしまうから可笑しい。

1538 LEE MORGAN / LEE MORGAN INDEED !

LEE MORGAN:tp CLARENCE SHARPE:as HORACE SILVER:p WILBER WARE:b PHILLY JOE JONES:ds
1956.11.4

1.ROCCUS 2.REGGE OF CHESTER 3.THE LADY 4.LITTLE T 5.GAZE STRIP 6.STAND BY

早熟な若きトランペッターのサクセス・ストーリーの幕開け・・・ということが先に頭にあるとどうも期待ばかりが先にたっていけない。しかし、どうも彼の尊敬する先輩の尾っぽを引きずっている感じがあるが、当たり前と言えば当たり前のことだ。これも先入観か。先輩たちの影響を受け継いだトランペッターとしての資質は、これから独自なものに発展するのだろうが、18歳という通常の観念から考えると、破格とだけは言えるのではないだろうか。
 音の冴え、歌うような旋律の巧みさ・・・。
 冒頭に持ってきたホレス・シルバーの曲の選択は、いかにも俄に立ち現れた新人の出現が、歴々の大物と互角であらんとするちょっと背伸びしたものに感じてしまう。
 フィラデルフィア時代からの友人というC#ことクラレンス・シャープのことは良くわからないが、モーガンの気まぐれで抜擢されたのだそうだが、どのトラックでも雰囲気を良くつかんだ好演で音の冴えも良い。
 もし、2曲目が冒頭にあったとしたら、若い溌剌さを感じ拍手喝采となって彼のその後の地位があったろうか。もし、3曲目にとろけるようなバラードが入ってなかったら・・・。「もし」なんて過ぎた過去には問うても仕様のないことではあるが。
 モーガンのブルーノートデビュー作だからちょっと過剰にあれこれ考え過ぎて、何度も書いては消し、書いては消しを繰り返してしまった。その割には、的を得てない気がする。
 ただ、このレーベルの一断片であっても、モーガンが数多く出現することになるスタートとしてアルフレッド・ライオンの期待を裏切らなかったことだけは、確かなようだ。一発きりの新人で終わらなかったのが何よりの証拠だろう。でも、そう何度も聴くという盤にはなりそうもないというのが、正直なところではある。用心深く言うと、勿論、あくまで僕の今の私感だが。
 

1539 6 PIECES OF SILVER / HORACE SILVER
DONALD BYRD-tp HANK MOBLEY-ts HORACE SILVER-p DOUG WATKINS-b LOUIS HAYES-ds
1956.11.10
1.COOL EYES 2.SHIRL 3.CAMOUFLAGE 4.ENCHANTMENT 5.SENOR BLUES 6.VERGO 7.FOR HEAVEN'S SAKE
 どうってことないハードバップのCOOL EYESで投げ出してはいけない。2曲目のシルバー他のピアノ・トリオ演奏でぐっと引きつけられ、ゴスペルタッチのCAMOUFLAGE、妖艶なENCHANTMENTは次のSENOR BLUESへと引き継がれる。別名SENOR BLUESと言われるこのアルバムの急所。
 コンポーザーでありピアニストであるシルバーの骨頂がみえる。
1540 HANK MOBLEY SEXTET
DONALD BYRD-tp LEE MORGAN-tp HANK MOBLEY-ts HORACE SILVER-p PAUL CHAMBERS-b CHARLIE PERSHIP-ds
1956.11.25
1.TOUCH AND GO 2.DOUBLE WHAMMY 3.BARREL OF FUNK 4.MOBLEYMANIA
 2トランペット+テナーというちょっと風変わりな編成だが、これが意外や勢いの良いモブレーの曲にマッチしてなかなかの効果を発揮している。シルバーの硬質なピアノ・タッチが心地よいのも特質すべきだ。モブレーは作曲とアレンジに力を入れすぎて精彩を欠いたかと言えば、そんなこともない。しかし、演奏面のメインはバードとモーガンの2人だろう。


by jamal2 | 2017-08-20 18:42 | BLUE NOTE | Comments(0)


<< BLUE NOTE 1551~... 落語の世界 「夏」 >>