僕などはあらゆるスタイルのものをそれこそ見境なしに聞き漁ってきたせいで、どこが原点だかわからなくなっている。 確かにあるアルバムを聴けば、そうだよねこんなの聴いたな・・・と思うが、それはどの時期も一時のもの。律儀に同じものを聴くという了見がない。 それは偏に「興味」「モチベーション」に頼って聴いてきたからだ。 確かに寄り道してジャケ買いをした時期もあったが、所詮中味で出来れば垂涎もののがあれば嬉しいにこしたことはない。 ところでだ。このジェリー・マリガンなのだが、それまでのイーストコースとからウエストに鞍替えしてしまったことがある。やれ、アート・ペッパーだ、チェット・ベイカーだ、そしてマリガン等々。 アナログで聴くと確かにウエストにはウエストの特徴を持っている。それはスタイルに限らず、音質が明らかに違った。特に低音が違う。これはエンジニアのせいだから音楽そのものとは異次元のものではあるのだが。 マリガンを選んだ理由には、例の「真夏の夜のジャズ」の影響もある。 しかしこの盤に限って言えば、「これがジャズ?」という印象を拭えなかった。 まるで室内楽のようで、このアルバムのなかには、ショパンのプレリュードさえ入っていて、色調からすれば何ら違和感がない。 そうやって聴いてみれば、イージーリスニングとして聴いてもかまわない。 イージーリスニングといえば、我が家に始めてHI-FIなるものを聴くようにセパレートのステレオを買ってきたオヤジが、しこたま仕入れてきて聴いていたにのを思い出す。映画音楽もあった。 しかし当時の僕であれば、GSに夢中だった頃で、オヤジが悦に入って聴いている時間は、極めて迷惑だったし、その手のものに手を出したことは一度もない。 なのにこのマリガンのアルバムはどのジャンルにも入らないのに、妙に心が落ち着く。 ジャズ遍歴の話をしたが、僕はこういうのは聴かないよと四角四面に言っている御仁に限って了見が狭い。好きで聴く者だから他人がとやかくいうものではないが・・・。 最後に一言。ファースト・インプレッションというのは侮れない。 いつだか、空知の方でD.Jやられている方が、オープニングにこれをかけていた。 始めて聴いた時、「懐かしい~」と思ったことがある。それくらいオープニングのNIGHT LIGHTはいい。
by jamal2
| 2018-04-25 04:42
| JAZZ一人一枚
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